設立趣意書

 2011年3月11日の東日本大震災に続いて4つの原子炉が次々と爆発崩壊した福島第一原子力発電所の事故は、全世界を震撼させました。東北と関東を中心とした日本国土や太平洋などの広大な地域が、大量の放射性物質で汚染され、「災害」と呼ぶにふさわしい未曾有の公害となりました。強制避難や被ばくによる健康被害、生活基盤や人生の希望の喪失による自殺など、多くの原発関連死を生み出しています。また、広範な産業への深刻なダメージ、強制避難や自主避難などが、広範な人々の人生を大きく狂わせました。
 国会が設置した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は「事故は人災による」と明確に報告しました。東日本大震災が引き金になりましたが、起こるべくして起きた事故です。この原因を明確にしなくては、同じことを繰り返すことになり、また、被害者の救済も進みません。時間を要したとしても、科学的に明らかにしなくてはなりません。一方、事故の終息に向けては、放射性物質の漏洩停止、燃料の冷却と回収、汚染された施設の解体、汚染廃棄物の処理と保管と、気の遠くなるような時間を要します。そして、これらのことは、当事者である国や東電だけに任せることはできません。
 私たちには、「現在」進行形で進むこの公害に向き合い、記憶にとどめ記録し、「未来」につなぐ責任があります。悔やんでも悔やみきれない大事故を教訓にし、痛恨の思いを込めて次世代、次々世代に、この事故の解決と終息を託さなければなりません。原発災害情報センターは、福島第一原子力発電所の事故を市民の力で風化させないことを目的に設立されました。みなさんのご賛同とご協力を心からお願い致します。

 

活動内容

 原発災害を心に刻み、生活の再生と原発におびえないで暮せる平和な社会が実現する日まで、この白河の地から全世界に向けて原発廃絶の願いを発信していきます。
 センターでは以下を中心に活動をしていきます。

  1. 福島原発事故の被害に係る資料、関連情報を収集し正確に発信する。機関誌の発行等。
  2. 過去―現在―未来をつなげる各種企画展示と集会の開催。
  3. 県内外の人々が自由に意見交換やおしゃべりし、復興へ向けて励ましあえる場を作る。
  4. 将来、原発事故が正確に検証された時点で、広島や長崎の原爆資料館と同じような役割を果せるように語り継ぐ施設を目指す。

運営は全国と地域のボランティア、専門家によるボランティアグループによって行ないます。

 

施設概要

  • 展示棟(約36坪=144㎡)
  • 収納庫および図書室・喫茶サロン付き(約15.5坪=50㎡)

上記施設の完成は2013年4月を目標としています。

 

ご寄付のお願い <目標>1億円

内訳/建設資金5千万円、運営管理費2千400万円、展示製作費2千万円
その他600万円 *博物館の正会員入会金の基金約400万円を原資とします。

  • “1人1万円、1万人”(1億円)運動募金の提案もありますが、一人でも多くの方に賛同していただき、金額の多少に拘らずご寄付いただけることを願い取り組んでまいります。
  • 博物館の個人・団体会員はじめ、広く趣旨に賛同する全国・全世界の人々に寄付を募ることとします。人類が原発とは共存できないと考えている全世界の人々に呼びかけて連携していきます。

 

協力団体(交渉中含む)

○原子力資料情報室 ○チェルノブイリ子ども基金 ○立命館平和ミュージアム ○ピースボート ○環境団体グリーンアクション ○丸木美術館 ○国際環境保護団体NGO FoEJapan ○NPO法人環境エネルギー政策研究所 ○環境保護団体グリーンピースJapan ○たんぽぽ舎 他