企画展第4日目、午前中来客なし、このまま5時まで人が来てくれないのだろうか?と、少し元気が下がり掛けた午後の2時半近く、「フィンランド国営放送制作のドキュメンタリーを上映するとのチラシを見たので、見せて欲しい。」と話すお客さんが来た。スタッフとして、大変有り難い思いになった。早速、リクエストに応えて上映した。
お客さんは熱心に54分のビデオを御覧になっていた。
この放送を日本に招介されたのは、映像の中でフィンランド国営テレビ局のインタビューに答えている大沼勇治氏によるものです。テレビ放送の内容は、「原子力明るい未来のエネルギー」の標語発案者の大沼氏が脱原発を意識し起ち上がった姿。政府が殺処分を強要した希望の牧場の吉沢氏と牛たちの生きつづける意味が語られている姿。富岡町の青年の親に寄り添い富岡町で生きようとする姿。会津に避難していたが、元の自宅は使えなくても被災地の双葉郡で生きたいと、しかし、高濃度汚染が続く双葉郡に子や孫を引き入れられないと別れて帰って来た夫妻の姿。市民が海ラボ(魚の放射能汚染度を調べる海洋調査のこと)に取り組み魚が食べられるまでに海は回復していることを証明しようとしている姿を写し出し、原発事故の処理の進捗状況と重ねながら記録されている。
原発事故で放射能汚染招いた事、人災事故と認識されている事の重大性、被災者の心の無念さ・政府の事故処理に対する恐り・事故を乗り越えようとする福島県民の動きをフィンランド国のテしビがドキュメントにした意味を考えられていた。自宅に帰ってもう一度見たいと、インターネットアドレスを確かめて帰って行かれた。
(「Takaisin Fakushimaan」をインターネットで見るには、https://areena.yle.fi/1-50447205 にアクセス)
このお客さんが呼び水となられたのか、急に続いてお客さんが入り、嬉しい忙しさを頂いた。