地質学者生越忠(おごせすなお)氏を思い出した。インターネットで確認したら2017年に亡くなられていた。生越忠故生越忠氏は、生前、双葉郡内で30年近く前、市民グループ「30キロ圏・人の会」の原発学習会に東京から足を運んてくれ、2時間余りの講師を行つてくれた方である。
この学習会で、衝撃的だつたのは、生越氏から、「宮城県から福島第一原発のある双葉郡広野町に亘る広い範囲に一本の断層『双葉断層』が走っているのだが、福島原発を双葉郡内に建てる構想が出された直後に原町(現南相馬市から南の断層が地図から消されてるのだ。この消した断層地図を使つて、原子力ムラは、福島第一原発は地震が起らない。と、主張して原発を建設したのだ。」との話を開いたことだった。
つまり、当時の政府を含めた原子力ムラは、双葉郡民と福島県民にうその地質情報を流して、見せかけの安心を仕掛けていたのだ。
考えると、南相馬から北の位置にしかない断層に何故「双葉断層」名が付けられているのか?矛盾した名付けがされているのである。
双葉断層が福島原発の横を通っていることを隠されていたことは、地震調査研究推進本部地質調査委員会が2017年4月13日付けで出された「双葉断層の長期評価について」の資料で、明らかとされていた。
この資料の第2ぺージと3ページで既知の双葉断層の範囲として図示しているが、第15ページで南相馬から南の部分で、広野町
に至る追加40kmの断層図を入れて、「双葉断層の評価において考慮した断層」と表現している。
この40km部分の断層は、福島原発建設の時点でも知られていて原発建設のために隠したが、地震調査推進本部は隠さずに地震評価した。と言うことである。この結果、本当の双葉断層の福島県内延長は70kmであるとしている。